kashiwabara006
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とにかく、念入りに作られた保塁﹇堡塁﹈ではあった。土と石と木と泥をコネまわしてではあるが地下にあり階段ありトーチカあり迷路ありだが重砲の存在を考えたかどうかとにかく気味のわるい構造であった。まだ埋もれた侭の地雷に工兵隊が目印に白線をつけた棒を附近につきさした丈の危険地点が点々とつらなっている堡塁﹇堡塁﹈の土壇上を縫うようにしてとび歩きつつ︑まだピクピクと背をみせて土に埋もれてうごめく敵兵をふみつけてとびこんでいったのであった

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