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 ●船の部落(南支) 昔からの諺に船陸に上るといふことがあるが水鄕の南支には往々船で造られた一部落を見出す。正に文字通り船陸に上つたのだ。まさか水害を恐れて船型に家を造つたものではあるまい腐杇して水上に適しなくなつた古船は陸岸に引上げられて隱居さす。同時に老人や子供等も此の家に移されることだらう、菰を以て覆はれた屋根、無雜作に明けた窓、これも水陸生活の推移を物語る人間史の一ドキユメントであらねばならぬ (印畫の複製をお斷りします)//●船の部落(南支) 昔からの諺に船陸に上るといふことがあるが水郷の南支には往々船で造られた一部落を見出す。正に文字通り船陸に上つたのだ。まさか水害を恐れて船型に家を造つたものではあるまい腐杇して水上に適しなくなつた古船は陸岸に引上げられて隠居さす。同時に老人や子供等も此の家に移されることだらう、菰を以て覆はれた屋根、無雑作に明けた窓、これも水陸生活の推移を物語る人間史の一ドキユメントであらねばならぬ (印画の複製をお断りします)

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