atoingashu001
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 ●哈爾賓《哈爾賓》街頭所見(北滿) さながらゴルキーの「どん底」に出て來るやうな場面である。舞臺をそのまゝの息苦しい現實だ。空の鳥には巢があり、野の狐には穴があるけれども、彼等には枕する處がないのだ。ロマノフ王朝の政治が民衆とあまりに懸絶し過ぎて居た結果は、富豪顯紳の乾坤一變、無一文とされた結果は隨所にこんな悲惨が演ぜられたものだつた。世に急轉直下の流轉ほど哀れなものはない。 (印畫の複製を嚴禁す)//●哈爾賓街頭所見(北満) さながらゴルキーの「どん底」に出て来るやうな場面である。舞台をそのまゝの息苦しい現実だ。空の鳥には巣があり、野の狐には穴があるけれども、彼等には枕する処がないのだ。ロマノフ王朝の政治が民衆とあまりに懸絶し過ぎて居た結果は、富豪顕紳の乾坤一変、無一文とされた結果は随所にこんな悲惨が演ぜられたものだつた。世に急転直下の流転ほど哀れなものはない。 (印画の複製を厳禁す)

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