atoingashu001
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 ●山頂の火口壁(白頭山) 桔梗色に霞む湖面に山襞より脱れ來た風は漣浪を起して湖心めがけて千條の銀龍を走らせて相寄り相抱いては消江てゆく、湖面に添ふ地肌は黄白に赤黑に弧は圓に三角は菱に水に影を抱いて千態、あやしくも古代の紋樣を描く。そこには草の葉一ゆらも見出せない。 所々の斷崖は浮石[ピユウミス]の小さな銀砂は吹き上げられ吹き下ろされて銀帛を懸けたるが如く、湖面に裾を濡らして連りこの靈湖に亦神韻を深くしてゐる。 (印畫の複製を嚴禁す)//●山頂の火口壁(白頭山) 桔梗色に霞む湖面に山襞より脱れ来た風は漣浪を起して湖心めがけて千条の銀竜を走らせて相寄り相抱いては消江てゆく、湖面に添ふ地肌は黄白に赤黒に弧は円に三角は菱に水に影を抱いて千態、あやしくも古代の紋様を描く。そこには草の葉一ゆらも見出せない。 所々の断崖は浮石[ピユウミス]の小さな銀砂は吹き上げられ吹き下ろされて銀帛を懸けたるが如く、湖面に裾を濡らして連りこの霊湖に亦神韻を深くしてゐる。 (印画の複製を厳禁す)

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