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 ●義和團犧牲者の碑(北京) 彈痕蜂窩の檜樹を背景にしたこの一小碑に對すれば夢は複雜に煙る。西太后嬌慢の一代は淫蕩に輝き、侫奸は氣味惡くも微笑んで、淸朝末路の秘史は怪くも波瀾に富む。扶淸滅洋を■(口の右に斗)んで立つた義和團匪も、廟議の操縱によつて、當時澎湃してゐた排外運動の露骨な表現となつて、首に賞金をかけられた各國居留民は、この凶暴の重圍に公使舘《公使館》を根城に奮戰したものであつた。其時勇敢な奮死を遂げた官補小島正二郎氏の魂は永遠に人類的な犧牲を偲ばして日本公使舘《日本公使館》内に瞑つてゐる。 (印畫の複製を嚴禁す)//●義和団犠牲者の碑(北京) 弾痕蜂窩の桧樹を背景にしたこの一小碑に対すれば夢は複雑に煙る。西太后嬌慢の一代は淫蕩に輝き、侫奸は気味悪くも微笑んで、清朝末路の秘史は怪くも波瀾に富む。扶清滅洋を叫んで立つた義和団匪も、廟議の操縦によつて、当時澎湃してゐた排外運動の露骨な表現となつて、首に賞金をかけられた各国居留民は、この凶暴の重囲に公使舘を根城に奮戦したものであつた。其時勇敢な奮死を遂げた官補小島正二郎氏の魂は永遠に人類的な犠牲を偲ばして日本公使舘内に瞑つてゐる。 (印画の複製を厳禁す)

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