atoingashu001
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 ●煤球兒[メイチユール]=練炭=(北京にて) 自然に惠まれてゐない大陸に住する者には燃料は切實に生活に影響響する。草原の蒙古人は牛糞に可燃性を發見し、北京一帶の人士は粘土の潜熱を巧みに利用した。累々と日を吸ふて山と積まれたものは粉炭と粘土を練り合はした煤球兒である。無價値な粘土を平凡に効利化し簡素な手工で割に多量を生産してゆくところに支那人特有の大まかな科學味の面白さがある。 (印畫の複製を嚴禁す)//●煤球児[メイチユール]=練炭=(北京にて) 自然に恵まれてゐない大陸に住する者には燃料は切実に生活に影響響する。草原の蒙古人は牛糞に可燃性を発見し、北京一帯の人士は粘土の潜熱を巧みに利用した。累々と日を吸ふて山と積まれたものは粉炭と粘土を練り合はした煤球児である。無価値な粘土を平凡に効利化し簡素な手工で割に多量を生産してゆくところに支那人特有の大まかな科学味の面白さがある。 (印画の複製を厳禁す)

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