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 ●南支那の戎克(大連) 戎克は如何にも古典的な船である、古い支那そのものゝ如く。戰争と戀と貿易とを載せて、蝙蝠の羽のやうにあの褐色の帆を擴げた姿を見るものは、マドロスの傳説の中に見出す怪異を思ひ起させるであらう。 殊に南方から來る戎克には船體の舳艫部を極彩色に装飾した美しいものがある、北方の港大連の海上に凍結した處は南方の美娘を生捕つた形である。 (印畫の複製はお斷りします)//●南支那の戎克(大連) 戎克は如何にも古典的な船である、古い支那そのものゝ如く。戦争と恋と貿易とを載せて、蝙蝠の羽のやうにあの褐色の帆を拡げた姿を見るものは、マドロスの伝説の中に見出す怪異を思ひ起させるであらう。 殊に南方から来る戎克には船体の舳舮部を極彩色に装飾した美しいものがある、北方の港大連の海上に凍結した処は南方の美娘を生捕つた形である。 (印画の複製はお断りします)

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