atoingashu001
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 ◆郊外の平和郷(北滿) 哈爾賓に行つた氣まぐれに、あの地の近郊をカメラをかついで徘ふたその折、郊外の田園にセツトルした波蘭人の一家庭を見出した。歐洲戰爭の際戰禍を蒙つて子供が日本に救濟されたといふ經驗の持主であつたので、圖らずも晝飯の御馳走に預かつた。何時の頃から來住したのか聞きもしなかつたが牛を飼ひ鷄を養つて卵や肉や野菜には事缺かぬ貧しいと雖平和な日を過して居る。 (印畫の複製を嚴禁す)//◆郊外の平和郷(北満) 哈爾賓《哈爾浜》に行つた気まぐれに、あの地の近郊をカメラをかついで徘ふたその折、郊外の田園にセツトルした波蘭人の一家庭を見出した。欧洲戦争の際戦禍を蒙つて子供が日本に救済されたといふ経験の持主であつたので、図らずも昼飯の御馳走に預かつた。何時の頃から来住したのか聞きもしなかつたが牛を飼ひ鶏を養つて卵や肉や野菜には事欠かぬ貧しいと雖平和な日を過して居る。 (印画の複製を厳禁す)

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