atoingashu001
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 ◆蒙古の沙丘 汽車に別れてから幾日の旅寢、蒲鉾馬車に委せた體と魂とは、蒙古の原始生活を憧れて此の方大興安嶺へと急ぐ。開魯から札魯特旗領への途中茫々たる黃沙の平原にさながらの巨濤の如く蜒蜿として隆起して居るものは所謂沙丘である。七月の太陽は赫灼として地の底にまで照りつけて居る、熱砂は百何十度の高溫を示し蠟燭は溶け燐寸は自然發火をするといふ狀態、人も馬も正に昏倒せんとする中を路案内の蒙古人は騎馬で此の焦熱地帶を悠々突破する。 (印畫の複製を嚴禁す)//◆蒙古の沙丘 汽車に別れてから幾日の旅寝、蒲鉾馬車に委せた体と魂とは、蒙古の原始生活を憧れて此の方大興安嶺へと急ぐ。開魯から札魯特旗領への途中茫々たる黄沙の平原にさながらの巨涛の如く蜒蜿として隆起して居るものは所謂沙丘である。七月の太陽は赫灼として地の底にまで照りつけて居る、熱砂は百何十度の高温を示し蝋燭は溶け燐寸は自然発火をするといふ状態、人も馬も正に昏倒せんとする中を路案内の蒙古人は騎馬で此の焦熱地帯を悠々突破する。 (印画の複製を厳禁す)

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