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●峽中の船着場蜀江巴水此の附近到るところ戰國時代の史跡に富む夔州は白帝城の古趾と共に諸葛武亮の遺蹟を千載に傳ふるの地だ。遙かに風箱峽の山の姿が白雲の中に隱顯して、江山の景趣轉た人の心に悽愴の氣を起さしめる江岸の蜑女の茅屋は峽中來往の民船が一時假泊する處で、昔から船妓の竹板は有名なものである。白樂天の詩に瞿唐峽口水煙低 白帝城頭日向西 唱到竹枝聲咽處 寒猿暗鳥一時啼(印畫の複製を嚴禁す)//●峡中の船着場蜀江巴水此の附近到るところ戦国時代の史跡に富む夔州は白帝城の古趾と共に諸葛武亮《諸葛亮》の遺蹟を千載に伝ふるの地だ。遥かに風箱峡の山の姿が白雲の中に隠顕して、江山の景趣転た人の心に悽愴の気を起さしめる江岸の蜑女の茅屋は峡中来往の民船が一時仮泊する処で、昔から船妓の竹板は有名なものである。白楽天の詩に瞿唐峡口水煙低 白帝城頭日向西 唱到竹枝声咽処 寒猿暗鳥一時啼(印画の複製を厳禁す)

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