atoingashu003
50/190

 ●秋影(南滿撫順附近にて) 秋水は野に流れ、川の面は空の色を吸ふてコバルトに靑い。赭土の岸邊に今日は赤い裳すその洗濯女もなくて小舟のみ長閑かに橫はる。白菜を洗ふ百姓の黑き手に、白き柔肌の水々しい菜の束が、水浴のニンフの如く渚に轉がるところ秋の影深し。 (印畫の複製を嚴禁す)//●秋影(南満撫順附近にて) 秋水は野に流れ、川の面は空の色を吸ふてコバルトに青い。赭土の岸辺に今日は赤い裳すその洗濯女もなくて小舟のみ長閑かに横はる。白菜を洗ふ百姓の黒き手に、白き柔肌の水々しい菜の束が、水浴のニンフの如く渚に転がるところ秋の影深し。 (印画の複製を厳禁す)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 50

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です