atoingashu004
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●陸揚した牛皮筏(綏遠省) 黃河の皮筏子を流下せしむる時期は春解氷後の四五月頃或は秋の十月前後の二回しかない。平沙萬里に渉る綏遠の原頭、洋々として流るゝ黃水の上に浮ぶ河筏子の光景はたしかに偉觀である。 塞外の市場包頭鎭の河岸に着いた皮筏は時を移さず陸揚される。ゴロ(ゴロ)轉がした首のない牛といへば奇怪でもあるが、それにしても完全な梱包法であり原始的な香の高い壯觀でないか。革囊一個の斤量百五六十斤市場では中味の毛ばかりではなく袋もそのまゝ賣放してゆくのも面白い。 (印畫の複製を嚴禁す)//●陸揚した牛皮筏(綏遠省) 黄河の皮筏子を流下せしむる時期は春解氷後の四五月頃或は秋の十月前後の二回しかない。平沙万里に渉る綏遠の原頭、洋々として流るゝ黄水の上に浮ぶ河筏子の光景はたしかに偉観である。 塞外の市場包頭鎮の河岸に着いた皮筏は時を移さず陸揚される。ゴロ(ゴロ)転がした首のない牛といへば奇怪でもあるが、それにしても完全な梱包法であり原始的な香の高い壮観でないか。革嚢一個の斤量百五六十斤市場では中味の毛ばかりではなく袋もそのまゝ売放してゆくのも面白い。 (印画の複製を厳禁す)

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