atoingashu004
159/186

●料理屋 軒先に錫の德利に紅布を吊してプラ下げた看板を見ると言はずしてそれは支那料理屋たることが知れる。入口を這ると左右にカウンターがあつて、アバタ顔の掌櫃が恭しく頭を下げて客を歡迎する。斗型に圍んだ中庭式のところから金ピカ飾りのある階段があつて、樓上の房子に導くが支那料理屋の一定した構造らしい開筵坐花、飛觴醉月など書いた景氣のよい對聯のかけ列ぶ廊下にシヤンの女の影がチラつき、客を送り出すボーイ達の頓狂な叫び聲を聽くのも華かな料理屋らしい空氣だ。 (印畫の複製を嚴禁す)//●料理屋 軒先に錫の徳利に紅布を吊してプラ下げた看板を見ると言はずしてそれは支那料理屋たることが知れる。入口を這ると左右にカウンターがあつて、アバタ顔の掌櫃が恭しく頭を下げて客を歓迎する。斗型に囲んだ中庭式のところから金ピカ飾りのある階段があつて、楼上の房子に導くが支那料理屋の一定した構造らしい開筵坐花、飛觴酔月など書いた景気のよい対連のかけ列ぶ廊下にシヤンの女の影がチラつき、客を送り出すボーイ達の頓狂な叫び声を聴くのも華かな料理屋らしい空気だ。 (印画の複製を厳禁す)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 159

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です