atoingashu004
164/186

●普陀の碼頭(浙江省) 寧波から海上二十四浬ばかり、波間に舟山列島の美しい島影が浮ぶ。その中の一つに普陀山がある。古來支那佛敎史上に著名な靈場として聞江たところ、風光明眉にして近頃は江南第一の避暑地である。 春の晦日ねもすのたり(のたり)波打つ岸に、三丈に餘る石坊の屋根が、狹霞の中にポツと浮んで、普陀山通ひの小蒸汽船が靜かに碼頭に導かれる。上陸の參詣者を待つ轎夫、挑夬の群れが、鞭持ち僧侶に指揮されるのも佛の島らしい。 (印畫の複製を嚴禁す)//●普陀の碼頭(浙江省) 寧波から海上二十四浬ばかり、波間に舟山列島の美しい島影が浮ぶ。その中の一つに普陀山がある。古来支那仏教史上に著名な霊場として聞江たところ、風光明眉にして近頃は江南第一の避暑地である。 春の晦日ねもすのたり(のたり)波打つ岸に、三丈に余る石坊の屋根が、狭霞の中にポツと浮んで、普陀山通ひの小蒸汽船が静かに碼頭に導かれる。上陸の参詣者を待つ轎夫、挑夬《挑夫》の群れが、鞭持ち僧侶に指揮されるのも仏の島らしい。 (印画の複製を厳禁す)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 164

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です