atoingashu004
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●炊煙を上げる水上生活者(福州) 磯邊に繫がれた蛋族の蒲鉾船は食事時になると必ず屋根覆ひのアンペラを取つて炊爨の仕事を始める。簡單に天窓を作る形だ。露天に曝し出された住居の内部は至極シンプルである。來るに一竿の棹あり、去るに一挺の櫓がある。今日は此の岸、明日は彼の岸と所定めぬ漂泊の生涯には水中に魚ありて食ふには事を缺かぬ。彼等を陸上より見れば羨しい程の自由生活者である。 (印畫の複製を嚴禁す)//●炊煙を上げる水上生活者(福州) 磯辺に繋がれた蛋族の蒲鉾船は食事時になると必ず屋根覆ひのアンペラを取つて炊爨の仕事を始める。簡単に天窓を作る形だ。露天に曝し出された住居の内部は至極シンプルである。来るに一竿の棹あり、去るに一挺の櫓がある。今日は此の岸、明日は彼の岸と所定めぬ漂泊の生涯には水中に魚ありて食ふには事を欠かぬ。彼等を陸上より見れば羨しい程の自由生活者である。 (印画の複製を厳禁す)

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