atoingashu005
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●捕鯨砲 (南滿・長山列島) 捕鯨船の軸部に取付けられた大砲の筒先には銛の穗先が怪しくも光る。海洋島の根據地を出發した捕鯨船は一直線に朝鮮沖の漁場へと急ぐ。大海原の波間に端なくも潮吹く鯨の黑影を見出すや否やズドンと打出された銛が岩のやうな鯨體に當つて、結び付けられた何百尋のロープが海中にたぐり込まれて、鯨の死體が浮び上る迄甲板上はさながらの戰場である。 (印畫の複製を嚴禁す)//●捕鯨砲 (南満・長山列島) 捕鯨船の軸部に取付けられた大砲の筒先には銛の穂先が怪しくも光る。海洋島の根拠地を出発した捕鯨船は一直線に朝鮮沖の漁場へと急ぐ。大海原の波間に端なくも潮吹く鯨の黒影を見出すや否やズドンと打出された銛が岩のやうな鯨体に当つて、結び付けられた何百尋のロープが海中にたぐり込まれて、鯨の死体が浮び上る迄甲板上はさながらの戦場である。 (印画の複製を厳禁す)

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