atoingashu006
37/194
●龍井村の市日(一)(延吉地方) 半島の山奥まで深く開墾し切つて、全く行詰つた鮮人達は、大陸の沃野を慕ひ、潜かに國境を越へ移住してゐたが、これが年と共に增加し、遂にはいつの間にか各所に鮮人部落を成した。これを見て狼狽した支那の吏員は、屢々その歸還を迫つたが、水の高きから低きに向ふが如く、滔々として來る移民の流れは、これを堰止めることも出來ず、益々增加するのみであつた。斯くて鮮人の間島とでもいふへき大きな潜勢力が植つけられた。これは市日に蟻集した鮮人の群だ。 (印畫の複製を嚴禁す)//●竜井村の市日(一)(延吉地方) 半島の山奥まで深く開墾し切つて、全く行詰つた鮮人達は、大陸の沃野を慕ひ、潜かに国境を越へ移住してゐたが、これが年と共に増加し、遂にはいつの間にか各所に鮮人部落を成した。これを見て狼狽した支那の吏員は、屡々その帰還を迫つたが、水の高きから低きに向ふが如く、滔々として来る移民の流れは、これを堰止めることも出来ず、益々増加するのみであつた。斯くて鮮人の間島とでもいふへき大きな潜勢力が植つけられた。これは市日に蟻集した鮮人の群だ。 (印画の複製を厳禁す)
元のページ