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●王府の一瞥(呵巴嘎王府) 中央の支那家屋と『包』は王府直屬の喇嘛廟、右方の一廊は王の住宅だ。左方に樹てられた柱は王府の標徵だともいはれてゐるが、佛教で信仰されてゐる八供の一たる天傘の變形であつて、吉祥の表象であるらしい。その後方に二本の柱をたてゝ繩を張り、結ひ附られた白の小布には經文が書かれてある。この白布をハタツクといひ、鄂博や住宅の入口にまで張られ、我が〆繩に似通つた點がある。百人一首の『このたびは幣もとりあへず手向山紅葉のにしき神のまに(まに)』の句が偲ばれる。 (印畫の複製を嚴禁す)//●王府の一瞥(呵巴嘎王府) 中央の支那家屋と『包』は王府直属の喇嘛廟、右方の一廊は王の住宅だ。左方に樹てられた柱は王府の標徴だともいはれてゐるが、仏教で信仰されてゐる八供の一たる天傘の変形であつて、吉祥の表象であるらしい。その後方に二本の柱をたてゝ縄を張り、結ひ附られた白の小布には経文が書かれてある。この白布をハタツクといひ、鄂博や住宅の入口にまで張られ、我が〆縄に似通つた点がある。百人一首の『このたびは幣もとりあへず手向山紅葉のにしき神のまに(まに)』の句が偲ばれる。 (印画の複製を厳禁す)

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