atoingashu006
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●王府の執政處(貝子廟) 王府には執政處があつて、王は自ら出でゝ執務することゝなつてゐる。正面は支那家屋にある王座で極めて簡單なものだ。狭くるしい『包』から見れば、規模が大きいだけでも威嚴が備はり、役所らしい氣がする。然し役所といつても、中央の茶卓兼用の机、古ぼけた茶盆などを見ては、その程度が知られる。兩側に敷いた堂官の座る小さくて四角な氈子が、我が座布團に似てゐることに注意が拂はれる。 (印畫の複製を嚴禁す)//●王府の執政処(貝子廟) 王府には執政処があつて、王は自ら出でゝ執務することゝなつてゐる。正面は支那家屋にある王座で極めて簡単なものだ。狭くるしい『包』から見れば、規模が大きいだけでも威厳が備はり、役所らしい気がする。然し役所といつても、中央の茶卓兼用の机、古ぼけた茶盆などを見ては、その程度が知られる。両側に敷いた堂官の座る小さくて四角な氈子が、我が座布団に似てゐることに注意が払はれる。 (印画の複製を厳禁す)

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