atoingashu006
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●名花の蕾(東喀齊特王府) 蒙古人といへは鬼をもひしぐ凶猛さを偲ばせる。彼等は觀骨の高い蠻族に似たのもあれば、また色白な元祿式の爪實顏もあつて、これ等の混血族にはなか(なか)の美人がある。 これは東喀齊特王の愛孃で芳紀將に十六歳、明貌の朗らかさ、淺黃服に紫の兵兒帶黃色の彩巾を冠つた姿は、全く湖沼の中から拔け出た睡蓮の蕾のやうだ。乾き切つた沙漠地の旅行者から凝視の的となるのも無理からぬ。 (印畫の複製を嚴禁す)//●名花の蕾(東喀斉特王府) 蒙古人といへは鬼をもひしぐ凶猛さを偲ばせる。彼等は観骨の高い蛮族に似たのもあれば、また色白な元禄式の爪実顔もあつて、これ等の混血族にはなか(なか)の美人がある。 これは東喀斉特王の愛嬢で芳紀将に十六歳、明貌の朗らかさ、浅黄服に紫の兵児帯黄色の彩巾を冠つた姿は、全く湖沼の中から抜け出た睡蓮の蕾のやうだ。乾き切つた沙漠地の旅行者から凝視の的となるのも無理からぬ。 (印画の複製を厳禁す)

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