atoingashu007
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●鮮農の部落(一) (延吉地方) 明治十六年開墾封禁の令撤廢せられ、沿江の住民が此の處女地に鋤犂を入れてから以來、永い間苛政の下殆ど原始人の如き悲慘な喘ぎの中に、隱忍と困窮の日を續けて來た鮮農にも春が來た。王道の治下漸く恆產が出來るやうになつたので、永住的な生活も營まれるやうになつた。秋晴れの陽を浴びた、垣根に咲殘つたコスモスの一輪にも長閑さが覗れる。 (印畫の複製を嚴禁す)//●鮮農の部落(一) (延吉地方) 明治十六年開墾封禁の令撤廃せられ、沿江の住民が此の処女地に鋤犂を入れてから以来、永い間苛政の下殆ど原始人の如き悲惨な喘ぎの中に、隠忍と困窮の日を続けて来た鮮農にも春が来た。王道の治下漸く恒産が出来るやうになつたので、永住的な生活も営まれるやうになつた。秋晴れの陽を浴びた、垣根に咲残つたコスモスの一輪にも長閑さが覗れる。 (印画の複製を厳禁す)

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