atoingashu007
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●喇嘛僧は勤行の道場へ (熱河省承德) (普陀宗乘之廟內) 牌樓を入つて左右を見渡すと、東西に大きな僧房が建て連らなつてゐる。乾隆帝の時には八百の僧侶が住んでゐたと伝へられ、淸朝末期でさへも六百を下らなかつたといふ。今は百名足らずの者が荒れ果てた廟を守り、時刻が来れば讀經その他の勤行を怠らない。一團の僧侶が暗い佛殿の中で、橫に長い西藏經典を讀み上げる鏽びた聲は、浮き世の外の世界であることを思はせるのに十分だ。 (印畫の複製を嚴禁す)//●喇嘛僧は勤行の道場へ (熱河省承徳) (普陀宗乗之廟内) 牌楼を入つて左右を見渡すと、東西に大きな僧房が建て連らなつてゐる。乾隆帝の時には八百の僧侶が住んでゐたと伝へられ、清朝末期でさへも六百を下らなかつたといふ。今は百名足らずの者が荒れ果てた廟を守り、時刻が来れば読経その他の勤行を怠らない。一団の僧侶が暗い仏殿の中で、横に長い西蔵経典を読み上げる鏽びた声は、浮き世の外の世界であることを思はせるのに十分だ。 (印画の複製を厳禁す)

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