atoingashu008
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●祭の芝居(烏丹城にて) ふと烏丹城の町で廟の祭典に出遇つた。けば(けば)しい隈取りと紛裝で鋭い聲を張上げる支那芝居の一幕、立並ぶ露天の汚い食堂と雜貨の陳列、嬉々としてその間を縫ふのんびりした群集、覗き眼鏡に時の立つのも知らぬげである。 烏丹城一帶は地味瘦薄で特記すべき生產がなく、無盡藏と云はるゝ甘草のみが此處を中心として多く輸出される。 (印畵の複製を嚴禁す)//●祭の芝居(烏丹城にて) ふと烏丹城の町で廟の祭典に出遇つた。けば(けば)しい隈取りと紛装で鋭い声を張上げる支那芝居の一幕、立並ぶ露天の汚い食堂と雑貨の陳列、嬉々としてその間を縫ふのんびりした群集、覗き眼鏡に時の立つのも知らぬげである。 烏丹城一帯は地味痩薄で特記すべき生産がなく、無尽蔵と云はるゝ甘草のみが此処を中心として多く輸出される。 (印画の複製を厳禁す)

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