atoingashu008
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●羊を追ふて(山海關附近) 殘壘破壁二千の齡の間、興廢悲喜幾度か反覆、今は苔蒸す長城の靑史をよそに、山海關の巒峯にも漸く平和の陽春が訪れて山あいに羊を追ふ牧夫の面上にも暢々とした情景が漂ふ。遙かに見る長柵の蜒りは餘りに古りたが一頭の驢馬に身を托し一日を行樂に分ちて過ぐる事變の思出を弔ふのも又一しほである。 (印畵の複製を嚴禁す)//●羊を追ふて(山海関附近) 残塁破壁二千の齢の間、興廃悲喜幾度か反覆、今は苔蒸す長城の青史をよそに、山海関の巒峯にも漸く平和の陽春が訪れて山あいに羊を追ふ牧夫の面上にも暢々とした情景が漂ふ。遥かに見る長柵の蜒りは余りに古りたが一頭の驢馬に身を托し一日を行楽に分ちて過ぐる事変の思出を弔ふのも又一しほである。 (印画の複製を厳禁す)

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