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●山峽の寺(杭州郊外) 蘇杭の山水は昔から明媚の地として詩人墨客に詠はれた。西湖の背に連る巒峯翠綠の山容などはどことなく日本の姿に似て、ふと山峽に拾つた白壁のさゝやかな寺觀に去り兼ねる懷がしい執着を覺えた。靜かな禪房の眞晝は薄綠にぼけた丘崗に包まれて閑寂のうちに煩はしい世をよそに悠久の自然のみが吐息する。 (印畵の複製を嚴禁す)//●山峡の寺(杭州郊外) 蘇杭の山水は昔から明媚の地として詩人墨客に詠はれた。西湖の背に連る巒峯翠緑の山容などはどことなく日本の姿に似て、ふと山峡に拾つた白壁のさゝやかな寺観に去り兼ねる懐がしい執着を覚えた。静かな禅房の真昼は薄緑にぼけた丘崗に包まれて閑寂のうちに煩はしい世をよそに悠久の自然のみが吐息する。 (印画の複製を厳禁す)

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