atoingashu011
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◎暮近し (北滿) なだらかな連丘の殘雪に夕の陽は映えて、雪の曠野を貫く轍の跡は遠く山裾の彼方に消える、いぶせき茅家の宿場を圍んだ木柵には馬宿の指標がヒラ(ヒラ)と、雪路をかけた人々の今宵の宿りを待ちげに風に弄ばれ、淺春の宵近い宿場の端れは未だ冬である。 (印畫の複製を嚴禁す)//◎暮近し (北満) なだらかな連丘の残雪に夕の陽は映えて、雪の昿野を貫く轍の跡は遠く山裾の彼方に消える、いぶせき茅家の宿場を囲んだ木柵には馬宿の指標がヒラ(ヒラ)と、雪路をかけた人々の今宵の宿りを待ちげに風に弄ばれ、浅春の宵近い宿場の端れは未だ冬である。 (印画の複製を厳禁す)
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