atoingashu011
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◎法燈 薄暗い迴廊を裏に迴ると厨房近く小喇嘛が法燈の用意に忙しい處であつた。濕ぽい板間で何百年か燃えて來た油の香を嗅ぎ明滅する燈心にポーと浮ぶ幼年僧の童顏を見ると、お伽噺のやうな淡い聯想が相起されて昔の夢のうちに吸はれて行く。 (印畫の複製を嚴禁す)//◎法灯 薄暗い迴廊を裏に迴ると厨房近く小喇嘛が法灯の用意に忙しい処であつた。湿ぽい板間で何百年か燃えて来た油の香を嗅ぎ明滅する灯心にポーと浮ぶ幼年僧の童顔を見ると、お伽噺のやうな淡い聯想が相起されて昔の夢のうちに吸はれて行く。 (印画の複製を厳禁す)

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