atoingashu012
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●廟の前 古煤けた場末の廟堂の石段に、色褪せた朱塗の柱に凭つた二人の道者、何やら儲口の相談らしく道服を着けては居れど羽化登仙と云ふ域には程遠い恰好である。入りの少い時は怪しげな祈禱もやれば賣卜もやり果てはインチキな賣藥迄もやらねばならぬ道士商賣も仲々世智辛い世の中となつた。 (印畫の複製を嚴禁す)//●廟の前 古煤けた場末の廟堂の石段に、色褪せた朱塗の柱に凭つた二人の道者、何やら儲口の相談らしく道服を着けては居れど羽化登仙と云ふ域には程遠い恰好である。入りの少い時は怪しげな祈祷もやれば売卜もやり果てはインチキな売薬迄もやらねばならぬ道士商売も仲々世智辛い世の中となつた。 (印画の複製を厳禁す)

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