atoingashu012
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●漁村曙 輕く岸打つ波の音に夜の帳がはがれ、薄靄のうちに曙の氣配が漂いそめるとはや暗の中に人々のさゞめきが聽かれる。早出の船は遙か沖合に影繪のやうに浮び漁村の朝まだきは淸々しいうちに明けかゝり、やがて眞紅の光が水平線にかゝれば海上は茜色に碎けて眼に入るかぎり莊嚴の一時が現出される。 (印畫の複製を嚴禁す)//●漁村曙 軽く岸打つ波の音に夜の帳がはがれ、薄靄のうちに曙の気配が漂いそめるとはや暗の中に人々のさゞめきが聴かれる。早出の船は遥か沖合に影絵のやうに浮び漁村の朝まだきは清々しいうちに明けかゝり、やがて真紅の光が水平線にかゝれば海上は茜色に砕けて眼に入るかぎり荘厳の一時が現出される。 (印画の複製を厳禁す)

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