ajiataikan002
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紹興の朝//紹興の朝//あたりはしつとりと霞籠めて、睡りても眠りてもねむき春の、見たらぬ夢の甘きに耽つて人々のまだ起きもやらぬひまを、白壁の影映す水の溫きに舟は音もなくすべつて行く。|紹興は古の越の國、會稽の地、その府城は勾踐を助けて覇業を成した范蠡の築くに創まるといふ。今人口二十萬、富裕な都會、町を貫いて水路蜘蛛の巢の如く、此に至るに何れよりするも運河によらねばならぬ水の都、人は呼んで江南のヴエニスといふ。//あたりはしつとりと霞篭めて、睡りても眠りてもねむき春の、見たらぬ夢の甘きに耽つて人々のまだ起きもやらぬひまを、白壁の影映す水の温きに舟は音もなくすべつて行く。|紹興は古の越の国、会稽の地、その府城は勾践を助けて覇業を成した范蠡の築くに創まるといふ。今人口二十万、富裕な都会、町を貫いて水路蜘蛛の巣の如く、此に至るに何れよりするも運河によらねばならぬ水の都、人は呼んで江南のヴエニスといふ。//

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