ajiataikan002
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彈琴峽//直隷省//弾琴峡 (直隷省)//彈琴峽はゆかしき名である、むかし、峽水石罅に流れて、その聲恰も琴を彈ずるが如き微妙な響を發してゐた為めにこの名を得たと傳へられてゐる、古から文人墨客の間に喧しくいひはやされてゐたが、今は土砂が石の隙間を封じてその琴聲も聞かれない、峽上斷崖の間に古びた關帝廟が一段の雅趣を添へる、このあたり、「彈琴峽」「五貴頭」又は「雄鎭蒸關」等の大字が巖に刻まれてある、汽車はこの側を通つて五貴燧道の暗に入る。//弾琴峡はゆかしき名である、むかし、峡水石罅に流れて、その声恰も琴を弾ずるが如き微妙な響を発してゐた為めにこの名を得たと伝へられてゐる、古から文人墨客の間に喧しくいひはやされてゐたが、今は土砂が石の隙間を封じてその琴声も聞かれない、峡上断崖の間に古びた関帝廟が一段の雅趣を添へる、このあたり、「弾琴峡」「五貴頭」又は「雄鎮蒸関」等の大字が巌に刻まれてある、汽車はこの側を通つて五貴燧道の暗に入る。//

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