ajiataikan003
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南京城外//南京城外//南京城の雄大なことは今更ら説くべくもない。前は洋々の楊子江を控へ、後には一望限りなき平原を負ふ。内藤湖南博士は曾て其の著に「南京の太守となりて天下を取らんとの野心を起さないやうな奴は餘程の凡庸なり」と喝破されたが、朝陽門外に四顧する時、殊に其の感を深ふするのだ。|蜿々長城の如き壯大な城壁に立つて、大洋のうねりのやうに起伏する大平原を望まんか、凡人と雖も亦天下の志を立つるであらう。驢馬は春の陽を受けて平原を進み、若草の上には靜に陽炎が燃江る。前方の大道を左すれば明の孝陵である。(印畫の複製を禁ず)//南京城の雄大なことは今更ら説くべくもない。前は洋々の楊子江[揚子江]を控へ、後には一望限りなき平原を負ふ。内藤湖南博士は曽て其の著に「南京の太守となりて天下を取らんとの野心を起さないやうな奴は余程の凡庸なり」と喝破されたが、朝陽門外に四顧する時、殊に其の感を深ふするのだ。|蜿々長城の如き壮大な城壁に立つて、大洋のうねりのやうに起伏する大平原を望まんか、凡人と雖も亦天下の志を立つるであらう。驢馬は春の陽を受けて平原を進み、若草の上には静に陽炎が燃江る。前方の大道を左すれば明の孝陵である。(印画の複製を禁ず)//

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