ajiataikan003
137/204

老人と小鳥//途上所見//老人と小鳥 (途上所見)//1926.12//とある町裏の日當り、師走近い風が吹きまくるのも知らざる氣に、鳥籠を捧ぐる老翁を見た。聲かけて道を問へば徐ろに振り返り默つて杖の先で彼方を指ざした。寒からずやと言へば鳥籠をおろしつゝ短く不冷と答へる。この上何と問ひかけた所で煙草休みとなりさうもない。|その籠の中にはチゝとも鳴かず雲雀が寒さうに跼つてゐた。|(一九二六、十二撮影、不許複製)//とある町裏の日当り、師走近い風が吹きまくるのも知らざる気に、鳥篭を捧ぐる老翁を見た。声かけて道を問へば徐ろに振り返り黙つて杖の先で彼方を指ざした。寒からずやと言へば鳥篭をおろしつゝ短く不冷と答へる。この上何と問ひかけた所で煙草休みとなりさうもない。|その篭の中にはチゝとも鳴かず雲雀が寒さうに跼つてゐた。|(一九二六、十二撮影、不許複製)//

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 137

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です