ajiataikan003
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路傍//路傍//晩春の陽がどんよりと曇つた午下りと思召せ。とある路傍にいさゝかの食物をひさぐ露店に客なく、主人は側目もふらず地栗の皮を剝いてゐる。|籠の上に陳べられた糖幹子(タンカンツ)、地栗(テイーリー)、蘿蔔(ロープ)、には折々思ひ出したやうに脚下の鉢から濁り水がふりかけられて客を待つ。串刺しの地栗の慈味、砂糖黎の甘味、縞大根の風味、それは何れも旅人に忘れ難い。(印畫の複製を嚴禁す)//晩春の陽がどんよりと曇つた午下りと思召せ。とある路傍にいさゝかの食物をひさぐ露店に客なく、主人は側目もふらず地栗の皮を剥いてゐる。|篭の上に陳べられた糖幹子(タンカンツ)、地栗(テイーリー)、蘿蔔(ロープ)、には折々思ひ出したやうに脚下の鉢から濁り水がふりかけられて客を待つ。串刺しの地栗の慈味、砂糖黎の甘味、縞大根の風味、それは何れも旅人に忘れ難い。(印画の複製を厳禁す)//

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