ajiataikan004
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鼓山の靈源洞//鼓山の霊源洞//1927.4//五代の頃、神晏といふ坊さんが經を讀んでゐた。所は鼓山の山門の左、削立つた崖を下りて行つた所謂西澗の旁である。坊さんは經を讀み續ける、泉はゴボ(ゴボ)流れ續ける。そのゴボ(ゴボ)が癖に障るのを我慢しながら坊さんなほも讀み續けた、がとう(とう)堪忍袋の尾を切らしてしまつた。「やかましいぞ惡水め」。それ以來泉水は神妙に東澗の方へ逆流することになつた。今は東澗にも西澗のも叱られる惡水はない。|(一九二七、四、撮影)(印畫の複製を禁ず)//五代の頃、神晏といふ坊さんが経を読んでゐた。所は鼓山の山門の左、削立つた崖を下りて行つた所謂西澗の旁である。坊さんは経を読み続ける、泉はゴボ(ゴボ)流れ続ける。そのゴボ(ゴボ)が癖に障るのを我慢しながら坊さんなほも読み続けた、がとう(とう)堪忍袋の尾を切らしてしまつた。「やかましいぞ悪水め」。それ以来泉水は神妙に東澗の方へ逆流することになつた。今は東澗にも西澗のも叱られる悪水はない。|(一九二七、四、撮影)(印画の複製を禁ず)//

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