ajiataikan005
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國境に水温む//綏芬河邊//国境に水温む (綏芬河辺)//1928//北滿の春は遲い。然し、白樺や楡に魁けて先づ水溫む岸邊の猫柳が春を告げる。|久しく凍て着けた河面の氷が、日毎の陽の溫みに溶けて行けば、岸邊の黑土にはいさゝかの靑草の芽が頭を擡げる。猫柳がその影を映し始めるのもかうした水の上である。|國境の柳の芽はとまれ、露領に面し然も露支國交の芽ぐむのは何時の陽であらうか。|(一九二八撮影)(印畫の複製を禁ず)//北満の春は遅い。然し、白樺や楡に魁けて先づ水温む岸辺の猫柳が春を告げる。|久しく凍て着けた河面の氷が、日毎の陽の温みに溶けて行けば、岸辺の黒土にはいさゝかの青草の芽が頭を擡げる。猫柳がその影を映し始めるのもかうした水の上である。|国境の柳の芽はとまれ、露領に面し然も露支国交の芽ぐむのは何時の陽であらうか。|(一九二八撮影)(印画の複製を禁ず)//

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