ajiataikan006
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山中に遇ひし僧//九華山//山中に遇ひし僧 (九華山)//1929//草に蔽はれた屈折の山道を、下から緩かな金屬の響が登つて來る。何者かと待つ程もなく、鍔廣の麥稈帽子が表れ、擔棒が表れ、錫杖物々しい僧形が現れた。|双肩の荷物はその全財產らしい。問へば、寺から寺を、修業して渡り歩く行脚僧だと答へる。そして全財產を背負ふた氣樂さで、賴みもしないのに道案内の役を引受ける。|(一九二九年撮影)(印畫の複製を禁ず)//草に蔽はれた屈折の山道を、下から緩かな金属の響が登つて来る。何者かと待つ程もなく、鍔広の麦稈帽子が表れ、担棒が表れ、錫杖物々しい僧形が現れた。|双肩の荷物はその全財産らしい。問へば、寺から寺を、修業して渡り歩く行脚僧だと答へる。そして全財産を背負ふた気楽さで、頼みもしないのに道案内の役を引受ける。|(一九二九年撮影)(印画の複製を禁ず)//

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