ajiataikan007
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霧の描く風景//舟山//霧の描く風景 (舟山)//1930//定海の朝である。|陽はもう三竿に昇つてゐるやうに、霧に閉された港は、今漸くほの(ぼの)の夜明である。|風のそよぎもない。|遠くの島々の裾ばかりか、手近の舟の姿も墨繪の如く薄れて、氷の上に長々と影を落した戎克の帆柱の頂だけが、漸く朝を語る。(一九三〇年撮影)(印畵の複製を禁ず)//定海の朝である。|陽はもう三竿に昇つてゐるやうに、霧に閉された港は、今漸くほの(ぼの)の夜明である。|風のそよぎもない。|遠くの島々の裾ばかりか、手近の舟の姿も墨絵の如く薄れて、氷の上に長々と影を落した戎克の帆柱の頂だけが、漸く朝を語る。(一九三〇年撮影)(印画の複製を禁ず)//

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