ajiataikan008
13/188
采香徑の朝//蘇州//采香径の朝 (蘇州)//1930//蘇州の名と共に語り傳へらるべき香高き唯一のローマンスは、吳王と西施との物語であらうか。|然しその靈巖山上館娃宮の趾も、今では礎石の幾つかの漸く雜草の中に探し當てる程に古びてしまつたが、香を兩岸に植ゑ、美人に龍首の舟を曳かせ、西施の肩を擁して舟中彈琴に唱和したてふこの溪川だけは、潺々の水聲依然として昔を語るのだ。|(一九三〇、撮影)(印畫の複製を禁ず)//蘇州の名と共に語り伝へらるべき香高き唯一のローマンスは、呉王と西施との物語であらうか。|然しその霊巌山上館娃宮の趾も、今では礎石の幾つかの漸く雑草の中に探し当てる程に古びてしまつたが、香を両岸に植ゑ、美人に竜首の舟を曳かせ、西施の肩を擁して舟中弾琴に唱和したてふこの渓川だけは、潺々の水声依然として昔を語るのだ。|(一九三〇、撮影)(印画の複製を禁ず)//
元のページ