ajiataikan008
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名妓の名を//杭州//名妓の名を (杭州)//1930秋//唐代錢塘の名妓蘇小小の亡軀は『桃花流水杳然と去る、金粉六朝の香車何處ぞ』の詩句を柱に刻むこの屋根の下に、然も生前離れ難かりし西湖の水の傍に埋められた。|それから一千餘年が經過した。今は自働車が、人力車が、靴音が、朝から晩まで喚き立てゝ墓の周圍を走つてゐる。コンクリート土饅重の下で、小小はどんな夢を見てゐるだらう。|(一九三〇年秋撮影)(印畫複製嚴禁)//唐代銭塘の名妓蘇小小の亡躯は『桃花流水杳然と去る、金粉六朝の香車何処ぞ』の詩句を柱に刻むこの屋根の下に、然も生前離れ難かりし西湖の水の傍に埋められた。|それから一千余年が経過した。今は自働車が、人力車が、靴音が、朝から晩まで喚き立てゝ墓の周囲を走つてゐる。コンクリート土饅重の下で、小小はどんな夢を見てゐるだらう。|(一九三〇年秋撮影)(印画複製厳禁)//

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