ajiataikan016
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臭塩磧//四川省//臭塩磧 (四川省)//臭鹽磧は縣城對岸の沙渚中に存す江水の大減水の際江床露出する時土人は板屋を構へて假小屋を作り坑を掘つ鹽水を汲んで鹽を製造してゐる。これが即ち四川省の名物井鹽で年產額は頗る多い、政府では鹽務局を設けて、これに税を課してゐる。思ふに蜀省は離海數百千里の遠き大陸の奥地に在り海鹽を得るに運輸上不便の地にあり乍らこれがあるか為めに住民は易々にとして鹽を得て生活してゐる。考へるに人類生存上天が配せる自然の妙味であるまいか。//臭塩磧は県城対岸の沙渚中に存す江水の大減水の際江床露出する時土人は板屋を構へて仮小屋を作り坑を掘つ塩水を汲んで塩を製造してゐる。これが即ち四川省の名物井塩で年産額は頗る多い、政府では塩務局を設けて、これに税を課してゐる。思ふに蜀省は離海数百千里の遠き大陸の奥地に在り海塩を得るに運輸上不便の地にあり乍らこれがあるか為めに住民は易々にとして塩を得て生活してゐる。考へるに人類生存上天が配せる自然の妙味であるまいか。//
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