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研究・調査活動―シンポジウム・ワークショップ

東洋文庫現代中国研究資料室主催・史料研究会

・日時:3月10日 16:00~18:00
・会場:(財)東洋文庫新本館2階講演室
・報告者及び報告テーマ
「清代貴州省東南部における林業経営と木材流通」相原佳之(アジア歴史資料センター/國學院大學)

 本報告では、おもに林業契約文書の分析から、清代に中国貴州省東南部で苗族が行った商業的林業の生産構造を考察した。まず、この地域から出荷される木材の取引過程では太く良質な大径材が高い価値で販売されたため、生産者はそれに対応する林木育成方式を採用したことを指摘した。次に、19世紀前半に下流の漢族商人等により純度の低い銀が村落内にもたらされたことに対応して、林業生産村落の土地売買契約文書の貨幣表示に大きな変化が見られることを示した。そして、上記のような木材流通過程や商人の動向を見据えた林業生産者の在り方が、当地域において林業から持続的に利潤を獲得し生産を継続していくことができた要因の一つであると結論した。
 フロアからのコメントでは、文書上の貨幣表示の変化については多様な要因を考察する必要があること、後の時代までも含めて中国全土の中における貴州省林業の位置付けを明確にする必要があることなど、研究上の示唆が与えられた。

報告者紹介
相原 佳之(あいはら よしゆき)…

現在、國學院大學兼任講師、東京医科歯科大学非常勤講師。博士(文学)。中国明清時代史専攻。

文責・
相原佳之(國學院大學/東京医科歯科大学)

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